Profile

建築デザイナー 近藤豊三郎

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宮大工修行を経て、若い頃に欧州に渡り、イギリスやフランスの建築物の設計や工法、素材などを徹底的に学び、その後、日本で40年以上に亘って個人住宅から法人向けの商品開発、分譲住宅など多数の建物をプロデュースしてきました。

 

1942年2月21日生まれ 80歳
1960年 日本建築の修行に入る
1966年 修行を終えヨーロッパへ
1967年 建築デザイン アート&デコレーション設立
2000年 近藤豊三郎 事務所設立
2003年 表参道にて事務所開設
2005年 自由が丘に「アーツ&ギルド」デザイン事務所を置く
2005年 (一社)マテバシイ協会設立
2006年 (合) 日本里山再生支援機構設立
2016年 近藤豊三郎 現役引退
2017年~日本のこれからの建築の模索にて、ヨーロッパ毎年渡欧
2019年 イギリスとコラボで、ヘンプクリート家をプロデュース
2021年 地方行政の抱える諸問題の企画に参加
2022年~多くの支援者を得て、日本の里山再生を企画

40年以上に渡り、英国、フランス、イギリス、スペイン、アメリカへ渡欧、渡米 多数回を数える。
現在、日本でのヘンプ栽培の法改正をにらみ、自然素材の健康住宅とシックハウス症候群の予防・快復支援のプロジェクトを立ち上げ中。

写真は、台湾プロジェクトにて

西洋建築一筋50年、日本における近藤豊三郎の歴史は、当初より一貫した独自の建築デザインを以って頑固に構築されています。 そして、「建築とは歳月を経ても、衰えてはならない。」と近藤豊三郎は言い続けているのです。
その基軸を成すデザインについて、建築デザインは、決められた価値観の中で発想してはならない。 もっと自由に大らかに建築の華を咲かせるためには、より美しいものを求め続けなければならない「それがデザインである」。
これ等全てを近藤豊三郎は、ローラ・アシュレイ(※a2)に学びました。

(※a2)ローラ・アシュレイとは…
ローラ・アシュレイ(Laura Ashley CBE 925年9月7日~1985年9月17日)は、イギリス・ウェールズ出身のファッションデザイナー。
彼女自身のデザインによるカラフルな布地を用いた衣料品・家庭用品によって、世界中に名前が知られるブランド、ローラ アシュレイ ホールディングス (Laura Ashley Holdings plc) を築いた。

 

美しいデザインとは何か?

そのデザインの放つ感性を忠実に「かたち」にするテクニカルサポートシステム、さらにそれ等を支える建築技術と建築素材メーカーの存在とクラフトマン衆。
良い家を造ろうと一徹に突き進む人々の心が集結、阿吽の呼吸を共有できる熱き思いのプロ集団が、渾然一体となったとき生まれる建築、それが「美しい建築」であると提議したい。

 

住宅の意義とは何か?

「美しい建築」を、疲弊した現在の日本社会の現場に反映させたいと私は強く願っている。
だから、住宅に人が住む事の意義を、衣・食・住における住宅の意義を、そして建築が地域に存在し得ることの意義を、そして自然界が人々に求めている本当の意義を、見つめ直す機会となる入り口部分に位置して欲しい。

更なる思いは、裕福で住み良い社会を造り上げることに向かって夢中で生きた戦後生まれの人々、そして今、自らが求めた社会と現実社会の狭間に在って、家庭を顧みる事無く驀進(ばくしん)した人生は何だったのか?
このような社会の構築を求めてはいなかった筈だ、と葛藤し、社会が今変わるべき方向を模索している団塊世代生まれの諸氏にも奉げたい。
この建築は歳月を経ても尚、人々に感動を与え続け、衰えることを知らない。
なぜなら、この建物が人々の手により日本社会の現場に反映され、広い地域で統一されたデザインで、一群のコミュニティーを成した時、建築は地域を形成し、そこに住みたいと願う住民に、誇りを、慶びを、感性を、そして日本人が忘れてしまった生活の知恵である「日本人の価値観」を分け与えるから。
 すると人々は、建築に地域に住むことに感謝の意を表す。と同時に

 「建築と地域が衰え朽ちてはならない。」

との住民共有認識が芽生え、それが住む人々の活性化に繋がり、富の連鎖を生み地域住民に支持される要因となる。
これ等が織り成すサイクルの総称が、近藤豊三郎の意図する「美しい建築」となる。
阿吽を共有できる技術の集結、建築に注がれる人々の熱意、建築を大切に守り続けようとする住民の心、それ等全てが凛として美しく輝き続ける建築の由縁なのです。

 

問題提起

日本の建築寿命は30年と短命です。近藤豊三郎は20数年前、特筆すべき建築を日本に造りました。
それは、フランス・ノルマンディー地方の民家(下写真)ですが、日本での建物はレストランとして現役で活躍中です。
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オーク材(樫の木)で造られる、これ等民家の寿命は30年ではないのです。
仮設住宅を除いた場合、世界中探しても30年で家を壊す建築など、中国の壱分地方と日本の住宅以外に存在しない、異常な光景なのです。

日本建築のバランス感覚は?

現状は高価格、寿命は30年、ローンは35年、と非常にバランスが悪い状態で構成されている。そしてそのデザイン評価は如何なものか?
ご判断は、皆様にお任せ致しますが、さらなる由々しき事態は、職人技術を必要としない工業化された半製品を現場で組み立てる施工体制。

 

住宅の品質は?

さらに化学物質で汚染された建築資材とそれ等が発生源となったシック(病気)ハウス(家)、これ等建築は、住宅資材、施工体制の全てに多くの問題を含んでいる。 日本における悲惨な建築の現状を団塊世代は憂いでいるのです。

 

樫の木(国産材・地域材)で造る家は?

フランス・ノルマンディーの家、その寿命は600年以上、日本の国産材(ヒノキ・杉)等を使用した社寺仏閣は、1000年以上の耐久性を誇る。 さらにこの建築は時代を超え、地域の人々に、世界中の人々に感動を与え続けている。それ等が本来の建築の姿であると提議したい。

 

マテバシイって良いのかな?

樫の木と同程度の耐久力を有している木材が、日本の千葉県や九州に存在している「マテバシイ(※a3)」です。
耐久性のある木材で良い家を造ること、その家が地域に溶け込み、支持され続けることを願い【ヘンプクリート ビルド工法】は構築されたのです。

(※a3)マテバシイとは…
マテバシイは、ブナ科の常緑高木である。 植物分類上はマテバシイはマテバシイ属に属し、シイノキが属するシイ属とは同じブナ科でも別属に分類されるため、葉や幹などの外見はシイノキに似ているものの系統上はシイノキの近縁の別属である。日本に自生するマテバシイ属の植物は、本種とシリブカガシの2種のみである。

 

マテバシイを生かす実行委員会が誕生!

日本の社会需要の変化に翻弄された悲しい宿命にある「マテバシイ物語」については近日中に詳しくご報告の機会を設ける計画です。 乞うご期待を!